鳥インフルエンザへの対策、ニュース、関連情報

高病原性鳥インフルエンザとは

本来、鳥インフルエンザは病名の通り、「鳥だけ」に罹る感染症であったが、近年ではウイルスの大量暴露によって感染しうるものとし、「トリとヒトという種の壁」を超えて感染が確認された。

特に毒性が高い型に「高病原性」という名をつけており、H5型・H7型がソレにあたる。(※高病原性の定義:最低8羽の4〜8週齢の鶏に感染させて、10日以内に75%以上の致死率を示した場合)

鳥インフルエンザウイルスの感染後、潜伏期として2〜7日間(14日以上とも)の後、通常のインフルエンザと同様な高熱、咳などの症状を示す。

稀に急激に全身の臓器に異常を来し多臓器不全に陥り重症化、死に至る場合もある。多臓器不全とは名の通り、様々な臓器(腎臓、呼吸器、肝臓など)が複数機能不全に陥っている状態を指し、治療が著しく困難を指す(腎不全→人工透析が必要、心不全や血圧→他の症状と干渉しない薬剤の選定など)。

鳥インフルエンザウイルスによる世界の死者数は世界保健機関(WHO)が2003〜2008年1月までに確定した数値は216人。致死率は62%

治療方法は発病早期に抗インフルエンザ薬(タミフルなど)による投薬。但し、抗インフルエンザ薬を沢山備蓄したところで、新型ウイルス側がそれらに対して耐性を付けてしまうとタミフルなどは無力化されてしまう事もある。

パンデミックワクチン(※パンデミック=世界各地で爆発的に流行する事)は新しく出現したウイルスを用いてのワクチンだが、開発・製造していくには、日本国内の情勢で6〜12ヶ月掛かると言われている。政府はパンデミックワクチンの製造が進むまで、「現在の」鳥インフルエンザウイルスを用いて作るプレパンデミックワクチンを製造し、感染拡大予防に用いる予定だが、新型に対して何処まで有効かは不明である。

さらに、プレ・パンデミックワクチンに関しても在庫数がまだ全国民分どころか首都圏の人口すらまかなえない、とされる為、ワクチン製造や患者治療にあたる医療従事者、行政を維持する為の政府関係者に限られている。

次に感染経路について。

厚生労働省検疫所 感染症別情報による鳥インフルエンザの感染経路は、「鳥との濃厚な接触」「鳥の糞、羽毛などの吸入」についての記載がある。

鶏等の家禽との濃厚接触で感染することがあります。具体的には、感染した家禽またはその排泄物に汚染された表面や物と直接接触することです。特に感染した家禽の屠殺、羽の除去、食肉加工、調理準備のリスクが高いと考えられます。

なお、十分に加熱調理された鶏肉や鶏卵等の食物は安全と考えられています。流行地では、生きた鳥が市場や店頭で売られていたり、庭で鳥を飼育しているような小規模な農家が多く、日常的な鳥との密接な接触でヒトに感染することがあると考えられています。

現時点ではヒトからヒトへの感染は起きないと考えられています。

また、農林水産省 鳥インフルエンザに関する情報 では
http://www.maff.go.jp/tori/20040309info.htm

鳥インフルエンザについては、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによって、人に感染したという事例の報告はありません。 このため、食品衛生の観点からは、鳥インフルエンザ発生農場から出荷された鶏卵や鶏肉を回収する必要はないものと考えられます。

家畜衛生の観点から、生きた鶏等がウイルスに感染することを防止するために、鶏肉や卵の回収が必要ですが、その場合における回収を必要とする範囲(生きた鶏等に接触するリスクが相当ある場合)については、近く、専門家の意見を聴いて明確化する予定です。

鶏卵を「生」で食べることが健康を損なうおそれがあるとの報告はこれまでありませんが、不安な方は、加熱(WHOの食中毒防止のための加熱条件:中心部70℃、瞬間)することをおすすめします。

  • 鶏肉は十分加熱して食べて下さい。未加熱又は加熱不十分なままで食べることは、食中毒予防の観点からおすすめできません。

と、「鶏肉や鶏卵を食べて鳥インフルエンザへ感染した」という事例の報告はない事を報告している。

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流行前までの高病原性鳥インフルエンザへの予防

ヒト→ヒト感染が起きる前までの感染経路は「鳥との接触」「鳥の糞、羽毛などの吸入」とするのならば、

・鳥インフルエンザヒト患者が報告されている国への渡航を控える
・養鶏場などの鳥を扱っている農場や市場を訪れない
・弱っている鳥、死んだ鳥には触れない
・健康な鳥であっても濃厚な接触は避ける
・屋内の衛生として消毒薬・うがい薬の用意や、マスクをつけておく
・可能であれば感染専用の防護メガネ、防護ゴーグルをつける
・手洗い、うがいを行い常に清潔に保つようにする
・日頃から体力を落とさないようにしておく(感染しにくく、罹患しても乗り切れる確率が高まる)

弱っている鳥、病死や変死した鳥のフンや体液には気をつけるとしても、アヒルや一部の野鳥では鳥インフルエンザウイルスに冒されていても無症状のままである場合もあり、健康な鳥であっても注意は必要となる。(※東京都環境局 自然環境部計画課によれば、現在、日本国内ではハトや野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスの発生は認められない、としている)

現在、鳥との濃厚な接触で感染がよく確認されているのは、やはり養鶏場。ニワトリ→ニワトリで感染を繰り返すうちに変異する速度が通常環境よりも遙かに高まり、高病原性鳥インフルエンザウイルスが発生、ニワトリ→ヒトへ感染、といったケースが考えられている。

鳥インフルエンザヒト患者が報告されている国は厚生労働省検疫所 感染症別情報によれば、タイ、ベトナム、インドネシア、カンボジア、中国、トルコ、イラク、アゼルバイジャン、エジプト、ジブチ、ナイジェリア、ラオス、ミャンマー、パキスタン。米国では確認されていないが、ウイルスを運んでくるのは国境とは無関係な渡り鳥であるし、入出国が激しい現代社会ではヒト→ヒト感染が起きれば食い止めるのは至難。

現状、プレ・パンデミックワクチンの効果は新型鳥インフルエンザウイルスに対して未知数で服用可能な人員も限られており、抗インフルエンザ薬であるタミフルは予防薬として頻繁に服用する事は非現実的な状況にある上に、耐性ウイルスとしての流行も危惧されている。

まとめると、自らインフルエンザウイルスに感染しにいくような行動は控え、体力は絶対に落とさないようにしておく、といった自衛手段が鳥インフルエンザの流行対策のメイン。

中外製薬の「日常生活で出来る予防方法」(監修 長崎大学名誉教授 松本慶蔵氏)では予防方法についてのページや、インフルエンザに対するQ&A、基礎知識についてまとめられている。 http://influenza.elan.ne.jp/action/pre_life.php

ヒト→ヒト感染が起き、世界的な流行となればインフルエンザウイルス自体の活動が一段落し、ワクチンの製造が開始の見込みが経つまでは人混みを極力避ける(家で籠城)くらいしか有効策が…。

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抗インフルエンザ薬「タミフル」と薬害への行方

抗インフルエンザ薬、「タミフル」。リン酸オセルタミブルの商品名で日本では中外製薬(製造元であるスイス・ロシュ社の傘下)が「タミフル」を販売している。

タミフルは鳥インフルエンザウイルスの体内での増殖を抑制し、インフルエンザ発症後の48時間以内に服用すれば有効である、とされている。厚生労働省は、高病原性鳥インフルエンザの流行に備えて2500万人分のタミフルを備蓄する計画。48時間というのは、鳥インフルエンザウイルスが体内で大量に増殖しきってしまわないうちに症状を軽度に抑える、という狙いから。

しかし、

厚生労働省 医薬食品局安全対策課 タミフル服用後の異常行動について (緊急安全性情報の発出の指示)より抜粋
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/h0320-1.html

(1)リン酸オセルタミビル(タミフル)は、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症(カプセル剤については、その予防を含む。)の適応を有する経口薬である。我が国では、平成13年2月から販売されている。

(2)タミフルによる「精神・神経症状」については、因果関係は明確ではないものの、医薬関係者に注意喚起を図る観点から、平成16年5月、添付文書の「重大な副作用」欄に「精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、観察を十分に行い、症状に応じて適切な処置を行うこと。」と追記した。

(3)今年2月に入り、タミフルを服用したとみられる中学生が自宅で療養中、自宅マンションから転落死するという痛ましい事例が2例報道された。このことなどを受け、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、特に小児・未成年者については、インフルエンザと診断され治療が開始された後は、タミフルの処方の有無を問わず、異常行動発現のおそれがあることから、自宅において療養を行う場合、(1)異常行動の発現のおそれについて説明すること、(2)少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することが適切と考え、2月28日、その旨を患者・家族に対し説明するよう、インフルエンザ治療に携わる医療関係者に注意喚起した。

(4)上記(3)のような予防的な対応を行ってきたが、本日(3月20日)、タミフルの服用後に12歳の患者が2階から転落して骨折したとする症例が1例報告された。また、本日(3月20日)、2月上旬にタミフルの服用後に12歳の患者が2階から転落して骨折したとする症例についても報告がなされた。

これら個々の症例の評価は、今後の詳細な情報を受けて行われるが、タミフル服用後に発現したという事実が確認されたことから、今般、添付文書を改訂するとともに、「緊急安全性情報」を医療機関等に配布し、タミフル服用後の異常行動について、更に医療関係者の注意を喚起するよう、中外製薬株式会社に指示したところである。

- - -(中略)- - -

【タミフルカプセル75】 1.本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。 2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること

のようにタミフルによる異常行動(副作用)により、10歳未満は最低でも2日間は保護者が異常行動に対しての監視、10〜19歳だと投与自体が難しい状況下になった。(※10代だと体力があり異常行動に出た場合、保護者による制止が難しくなる、といのこと)

タミフル服用による異常行動・死亡事故を受けて、「薬害タミフル脳症被害者の会」も立ち上げられた。インフルエンザの兆候、タミフルを処方された場合などタミフルの危険性について一読しておきたい。

薬害タミフル脳症被害者の会
http://www.tamiflu89.sakura.ne.jp/

幼児がインフルエンザウイルスに罹った場合、インフルエンザ脳症(神経障害・意識障害)へと重症化する事もあり、日本ではタミフルといった抗インフルエンザ薬の服用量は世界的に見ても非常に多い。

しかしながら、既にインフルエンザウイルスはタミフルへの耐性を持ち始めており、ヒト→ヒト感染する新型の高病原性鳥インフルエンザがタミフル耐性をもって流行すると被害は計り知れないものになる。

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鳥インフルエンザ大流行、厚生労働省の予測で国内死者64万人

鳥インフルエンザ、日本で64万人死亡も 中国で人に感染 より
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080111-00000947-san-soci

中国で10日、鳥インフルエンザの人から人への感染例が初めて確認されたが、このウイルスが人に移りやすく突然変異して「新型インフルエンザ」として上陸したら、どうなるのか。

日本では64万人が死亡し、経済的にも損害が約20兆円に達すると未曾有の被害が予想されている。一部企業は極秘で対策を進めているが、欧米系企業と比べ、大半はまだ危機管理の意識が薄いようだ。(津川綾子)

鳥インフルエンザが人から人に感染し死者が出たのは、これまで東南アジアを中心に数例報じられていた。中国衛生省が10日、南京市の男性が、鳥インフルエンザ(H5N1)に感染・死亡した息子から感染したと発表。

専門家の間では鳥インフルエンザが人に感染しやすく変異した「新型」の発生が時間の問題といわれており、日本上陸も現実味を帯びてきている。

実は、日本でも最悪のケースを想定して、シミュレーションがされている。

《1人のビジネスマン(東京在住)が海外出張先で鳥インフルエンザの「新型」に感染して帰国。だが、感染に気づかず電車で会社に通勤した場合、帰国から10日目には首都圏で22万4000人が感染。京阪神にも飛び火し、2万4000人が感染する》

国立感染症研究所はこのように、人に免疫がない「新型」がまたたく間に全国へと広がると予測。厚生労働省は国内で1人の発生から2500万人が感染して病院に行き、約2カ月で64万人が死亡すると推計している。

外資系企業では、従業員対策として、「住友スリーエム」(東京)が社員約3000人に1人10枚ずつ、高機能なマスクを備蓄、ファイザー(東京)は社内マニュアルで従業員の20%が感染して欠勤した部署は部員全員を休ませるなどの方針を定めるなど、具体的に進めているところが多い。

これに対し、日本企業は、顧客への対策を含めて、「予期せぬインフルエンザには何もしていない」(在阪の電鉄会社)、「地震などの災害マニュアルでなんとかする」(全国展開の大手スーパー)と危機意識に乏しい例が目立つ。

「大幸薬品」(大阪)が平成19年11月、社内マニュアルを作成、「新型」の感染者が出たら、来訪者の立ち入り場所を制限し、来客用のマスクを用意するなどを規定しているが、こうしたケースはまだ少数派といえる。

このように各企業などで対策が不十分だと、経済的に麻痺(まひ)し、「大流行すれば消費が落ち込むなどして約20兆円の損失が生じる」(第一生命経済研究所)という試算もある。

「流行すれば社員がかかるだけでなく、流通や原料の調達も難しくなる。業務を続け、経済活動を滞らせないためにも、企業は前もって対策を立てることが重要」と国立感染症研究所・感染症情報センター第一室長の谷口清州さんは呼びかけている。

ちなみに、中国でのヒト→ヒト感染についての記事は下記の通りだが、香港、インドネシア、タイでもヒト→ヒト感染が認められている。

鳥インフル、中国で初めて人から人に感染
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/114780/

中国衛生省は10日の記者会見で、江蘇省南京市の父子が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した問題について「家庭内での密接な接触によって感染した」と発表、先に発症して死亡した息子から父親に感染したことを明らかにした。

中国で人から人への感染が確認されたのは初めて。 一方で、人から人に感染しやすい新型インフルエンザへのウイルスの遺伝子の変異についてはあらためて否定した。

この父子は、病死した家禽(かきん)類との接触はなく、息子の感染ルートについては判明していない。 衛生省報道官は、父子と接触のあった約80人には異常が見つかっていないことなどから「今回の事態は既にコントロールしている」と強調。

さらに冬から春にかけて鳥インフルエンザが多発するとして、予防対策を徹底する考えを示した。 日本の厚生労働省は既に先月、南京市に滞在歴のある中国からの入国者に対し、検査を行うなどの検疫体制強化を決めている。

国連などによると昨年11月時点で、2003年以降、12カ国の300人以上が感染し、約200人が死亡。インドネシアで人から人への感染が確認された例がある。(共同)

上記の中国のヒト→ヒト感染についての記事は本ページは2008年1/10の19:09。

インフルエンザの流行は主に12月か〜3月の主に冬季とされているが、中国では2008年8月8日〜8月24日まで第29回夏季オリンピックが開催される。もし、高病原性鳥インフルエンザウイルスを世界各国の選手やサポーター、観客を通じてばらまくような事態にならなければ良いが…

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